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クビを切れない会社は社員に優しい?


社員に優しい会社とは 日本の会社はクビにならないけれど、狭いオフィスで長時間労働をしている、という印象があります。自分の仕事が終わっても、上司や同僚が帰らないので帰りにくい雰囲気があり、なんとなく遅くまで会社にいてしまう・・・という話もよく聞きます。 果たして、クビにならない前提で長時間労働が当たり前の日本の会社は、本当に社員に優しいのでしょうか?

クビを切らないのが会社の優しさ? 仕事の成果や能力によって評価にそれほど差がつかず、頑張ってもサボってもさほど給料が変わらないのが平等で、社員に優しいと言えるのでしょうか? もし、給料に見合わない社員でも解雇が出来ないから雇用しているとすれば、本当に会社に貢献している社員にとってフェアではありません。役に立たない(と思われている)社員でも雇用を守るのは、有能な人材の士気低下を招きます。いでや会社員として働くからには、頑張れば報われると思うから頑張れるし、自分は会社に選ばれていると思いたいのではないでしょうか。 営利企業は経営資源を効率的に使って成果を上げることが目的なので、雇用継続を最優先にするのは公共事業の役割です。営利企業なら、収益への貢献に応じた対価、または期待値として社員に給料を払うのですから、クビを切れない会社は、貢献している人材には優しくありませんが、貢献していないお荷物社員には優しいのです。 また、一社でたまたまお荷物になったとしても、労働市場に流動性があれば転職して、違うスキルを身に着け、持てる能力を発揮する機会に出会えるでしょう。会社にとって有用でない社員をとどめておくのは、その社員が次のステップに進んで成長するための就業機会を奪うかもしれないのです。果たしてそれが本当の優しさと言えるでしょうか? 外資系企業だって、社員に優しい 外資系企業は指名解雇やリストラが日常的に行われるし、買収・合併・戦略変更などによる人員整理もあるので、クビになるのを覚悟して働く必要があります。外資系が全部、能力主義で実力本位であるわけではなく、公平・公正でない場合も多々ありますが、在勤中はお給料もいいし、仕事はハードだけどそれなりに遣り甲斐も責任も与えられます。だから自分の相対評価を上げるために足の引っ張り合いや胡麻すり合戦が繰り広げられ、熾烈な椅子取りゲームになるのですが・・・。 それでも、私がこれまで働いてきた会社ではどこも、有給休暇が入社一年目から20日以上貰えました。オフィスのスペースはゆったりしていてインテリアにも凝っているし、コーヒーその他の飲み物や文房具など、必要なモノは無料で提供され、出張ではビジネスクラスやグリーン車に乗せてくれました。年俸制だから残業代はつきませんが、必要に応じて休日出勤した場合は代休を取ることも出来ました。 クリスマスパーティや歓送迎会、その他の仕事関連の飲み会や食事会などの経費は会社が出してくれるのが当たり前でした。たいていはケチな私が自腹では行かない高級なお店で、「こんなお店で高い経費を使うんだったら現金支給の方がいいな・・・」なんて思ったものです。それがいかに罰当たりな考えだったか、自営業者になった今は身に染みるのですが・・・。 いつクビになるか分からないけど、戦力として認められている社員には働くための快適なインフラが提供されます。つまり労働環境の面では、外資企業は社員にとても優しいのです。ですから終身雇用を前提としてクビを切れない日本企業と、戦力と認められている在勤中は待遇面で手厚い外資企業と、どっちが社員を大事にしているか、あるいは社員に優しいか、一概には言えません・・・。 お荷物社員の給料を払うのは誰? グローバル競争で優位性を失った日本企業では、リストラを迫られ雇用を守れなくなる現実に直面しています。単純労働が益々海外にシフトする中、人材配置と貢献度に見合う報酬体系の構築は企業にとって重要な課題です。こうした背景により欧米型の企業経営を模倣し、ホワイトカラー・エグゼンプション、いわゆる残業代ゼロ法案が議論に上がりました。また厳しすぎる解雇規制を改める目的で退職勧奨の金銭解決を認める案も出ています。 一方で、解雇規制が緩和されれば労働市場の流動性が向上するにも関わらず、日本では高齢者にだけ異様に優しい雇用安定化法が施行され、若い人たちの就業機会を阻んでいます。定年後も会社にしがみついている高齢社員の給料で若い人材を3人雇った方が経営効率がいいかと思うのですが、選挙に行かない若者が増える中、政治家が自分たちの雇用継続を最優先にして公共事業を自作しているかに見えます。 職業的能力や収益への貢献度で評価されない報酬体系は、企業の競争力を低下させると同時に、人材の成長機会の妨げになります。クビを切れない会社は、お荷物社員の給料を有能な社員の働きで賄い、株主その他ステークホルダーに利益を還元できなくなってしまいます。票目当ての人気取り法案とバラマキで定数削減もしない議員の食い扶持は税金から捻出されているのと共通するかもしれません・・・。 外資企業が全て公正な自由競争で能力主義とは言えませんが、やる気があり、会社にしがみつかずにポータブルスキルを身に着けて行きたい人材には有望な選択肢ではないでしょうか。また中小零細企業では有能な人材が嘱望されているので、大企業ではありえない活躍の機会や重要な役割が与えられる可能性も高いでしょう。 クビを切れない会社が安定的で一生安泰かどうか定かではない昨今、クビになることを恐れず、公共事業型社員への回避志向を持って頂きたいと願ってやみません。日本の労働市場は硬直的で非効率なので、当社は労働市場の流動性向上と外国人の積極的活用に努めて参ります。 ©(株)ライフワーク・アドバンス代表 岡田ひろみ

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