私が外国人材を応援する理由 - その1
- Hiromi Okada
- Aug 12
- 4 min read

外人に甘い、と言われることもしばしばありますが、私が外国人材を積極的に応援するのは、私が外国人と接する機会があって本当に良かったと思っているからです。
日本だけにいて、日本人としか接する機会が無かったら、MITにも入れなかったし、外資系企業で働くことも、起業することもなかったでしょう。良いか悪いか、幸か不幸かは何とも言えませんが、日本人とだけしか付き合わないでいたら、自分の可能性がものすごく狭まれていたでしょう。
大学受験でさえ、私の高校からは合格実績がなかったので「あんたの高校じゃ早慶なんて無理だよ」と、高校の教員や同級生、親や知人や誰もが言いましたが、親が起きて来なくても「受けるだけ受けてみよう」と、雪の降る朝、始発に乗って受験し、まぐれで慶應に入りました。
ビジネス・スクールに行ってMBAを取りたい、と言ったら、大学の同級生も職場にいた年配のおじさんたち(今にして思えば、彼らも30代そこそこだったんですねぇ・・・)も、異口同音に「どうせ無理だよ」と言いました。社会人1年目で転職した先での上司は、カリフォルニア州立大学バークレー卒のアメリカ人で、私に本当は何をしたいのか、とよく聞いてくれました。
その人はエリックさんと言います。転私の誕生日にアメリカン・クラブでランチを御馳走してくれ、これからどうしたいかといつものように訊かれました。私は迷わず「ビジネス・スクールに行ってMBAを取りたい」と言いました。その時のエリックさんは、そうか、それなら自分もそのつもりでいよう、という返事でした。それから私は受験体制に入りました。
手当たり次第にアメリカの有名ビジネス・スクールから願書を取り寄せ、予備校に通ってGMAT受験に備え、志望動機のエッセイを書いたりし始めました。私は秘密裏にことを運ぶことが今でも苦手で、おおっぴらに「私はMBA留学を目指している」と公言していました。まだ自宅にPCがない時代だったので、週末に会社に行ってエッセイを書いてフロッピーディスク(懐かしいですね)に保存したもんです。その当時の私は、誰がどう見ても仕事に身が入っているとは言えなかったでしょう。
エリックさんは時々、MBA受験の進捗状況を聞いてくれました。そして「あなたには3つの選択肢がある。今年、合格して留学するのが一つ。もし今年がダメだったとしても、来年また受験し直す、ということもある。もう一つは、MBA留学をしないで、このままこの会社でキャリアを発展させることだ。どんな選択肢を取ったとしても、私はあなたをサポートするし、自分の仕事の都合もあるから、決まった段階で早めに私に知らせて欲しい」と言ってくれました。
うちの母親と私はその言葉に感動し、やっぱりアメリカ人てすごいねぇ、と話し合ったものです。そして、推薦状をお願いしたら快く引き受けてくれ、休日にエリックさんの白金台のお宅にお伺いして、推薦状を頂きました。エリックさんという上司に出会えたお陰で私は留学できたんですが、当時、エリックさんはまだ40歳そこそこでした。まだ20代半ばだった私は、エリックさんくらいの年齢になったら、私もこうして若い人をサポートする立場にならなければ、と考えました。だから今でも、人の希望や、やりたいことを応援しよう、日本人おじさん達に言われたように「どうせ無理だよ」とは決して言うまい、と思ってっています。
一方、私がこうして、エリックさんという上司にとても良くして頂いた、という話をすると、たいていの日本人男性は私とエリックさんが不倫などの関係にあったと疑いを持つようです(スケベオヤジ思考ですねぇ・・・)。でも、断じてそんなことはなく、エリックさんは愛妻家(恐妻家?)で、いつもジュリー、ジュリー(奥さんの名前)を口にしていて、ジュリーさんのことを「マイ・ボス」と呼んでいました。
エリックさんに頼まれて、私は結婚記念日やジュリーさんの誕生日にお花屋さんにお花を注文したもんです。不倫関係にあっても、そういうのを平気でできる女性はいるでしょうが、私は無理ですねぇ・・・。まあ、そういう偏狭な、いやらしい考え方しかできない日本人男性が多いのも事実でしょうが、なるべく避けて通りたいもんです。EndFragment
StartFragmentエリックさん以外にも、日本人に「どうせダメだよ」と言われても、たくさんの外国人に背中を押されたから、私は日本に来て働きたいという、意欲ある外国人材を応援しています。そしてそれが当社のお客様や、一緒に働く日本人にとっても有意義な職務経験になると信じています。
©株式会社ライフワーク・アドバンス代表 岡田ひろみ
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