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CreemaというECサイトでクレジットカード不正利用被害に遭った件が日本経済新聞の投稿欄に掲載されました

私は自社ブランド製品を各種ECサイトや自社ウエブで販売している。数か月前、ハンドメイド商品を主に扱うサイトから支払いが完了し2日以内に商品を発送するよう指示が来たので速やかに商品を発送したところ、その5日後にそのサイトから当該注文がクレジットカード不正利用であるから発送を中止せよ、とメールが来た。宅配事業者の追跡番号等、あらゆる手段で商品を取り返そうとしたが、商品は卑劣な犯罪者の手に渡ってしまい、まるで我が子が誘拐されたような感覚に襲われた。

支払い完了した発送指示を出したプラットフォーマーに商品代金を請求する内容証明を出したが無視されたので、「判例に基づき、プラットフォーム事業者として欠陥のないシステムを構築してサービスを提供する義務を怠った」として提訴するとメールを送ると「当サイトに責任がないことに同意する代わりに今回だけ商品代金を支払う」と提案が返ってきた。私は少額の損失を取り戻したいのではなく、決済機能も重要なプラットフォーマーの役割と考え、その社会的責任を問い正すべく、地元の裁判所に提訴し、慎重な議論が必要だと地方裁判所に送致された。

このサイトでの取引は本件が初であり、私の他の複数ECサイトでの1000件以上の取引実績のうち同種の被害に遭ったことがないこと、別のECサイトでは注文と同時にクレジットカードの支払いを確認するまで出荷を待つよう指示され、結局発送せずに被害を避けられた実例、このサイトでは不正利用が頻発しているネット記事などを証拠として提出した。相手側の答弁は利用規約において個別の取引には関与しない、の一点張りだった。

 私の訴えは棄却され、「クレジットカード不正利用がないことを確認してから発送通知を出す義務はない」、「出品者はどの段階で発送するか代金回収リスクとの兼ね合いで出品者が選択すべき」という目を疑う判断が下された。利用規約には7日以内に発送する、購入者から代金を回収するとも明記されているが私の主張は全面的に否定された。

 EC市場の拡大と共に不正取引の手段も急速に巧妙化する中、利用者のプラットフォーマーの責任は増している。即日配達も可能な今日、出品者には出荷スピードも求められる。複数の法律家に相談したが、大手企業を相手にした本人訴訟は勝率が低い、社会的に重大な判例を作るには多数の被害例が必要との意見を頂いた。安全な取引の場を提供するプラットフォーマーの責任を明確にしなければ、被害の多発を増大させるのではないだろうか。