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大手ITベンダーは百貨店みたいなもの


百貨店の閉店が続いています。三越伊勢丹、そごう・西武など、この1年で約10店舗の閉店したり閉店が決定したそうです。ブランド品を大量に買う訪日客も減少したので、売上減が続いているのだとか。また郊外ショッピングセンターの進出や専門小売店やオンライン・ショッピングの増加など、買い物の場所や手段が多様化し、「デパートでショッピング」という華やかなステイタスは衰退の一途です。

大手ITサービス・ベンダーやシステム・インテグレーター(SIer)も百貨店と同じ現象が起きています。かつてITサービスを提供するのは大手SIerや、ITサービス・ベンダーが主流でした。昨今では優れた機能を備えたパッケージソフトが廉価で利用でき、ソフトウエアのライフサイクルも短くなっています。またウエブやクラウドの進化で大量データの処理スピードも格段にアップしています。大量の人員を高額で投入する大規模なプロジェクトより、多様化・細分化するニーズにきめ細かく対応できるITサービスへの需要が高まっているのです。

ところで最近、私がお客様にご提案した外国人エンジニアが二人、立て続けに私の案件を辞退しました。その二人は全く関係なく、私がそれぞれに別々のクライアント様2社にご提案したのですが、彼らは自分の希望により近い、他社の別の仕事を選んだのでした。私としてはクライアント様のお役に立てなかったのが残念ですが、一方で、動きの早い成長企業はちゃんと優秀な外国人材を積極的に起用している、と実感しました。

システム開発も価格競争が激化し、限界利益が低下する中、「何かあった時のリスク担保」というお題目を掲げても、大規模な会社だから優れた人材が調達できるとは限らず、前述の私のご提案したエンジニア達のように、キャリア・ビジョンが明確で技術力の高い人材は自分の意思で仕事を選べるのです。ちなみにそのうちの一人は、大学を卒業したばかりで就活のために3週間だけ日本に滞在し、当社のクライアント様を含め、4社(!)から内定が出ました。まさにエンジニア争奪戦です。

大手ITサービスは土建屋方式で2次請け、3次請けの人材会社から「当該システム経験何年以上、何歳まで」と注文をつけて人材をやり繰りしていますが、規格に合った人材を杓子定規に取り揃えるだけの百貨店型ビジネスは縮小する一方でしょう。

大手ITベンダーは百貨店みたいなものだと私は思いますが、当社のような多層下請けの末端の弱小人材会社はもっと厳しいのです。でも、意思決定が遅く、時代の変化に対応できない企業が衰退するのはいつの時代も何の業界でも同じです。時勢の変化を見据え、付加価値をご提供することで弱小ながらもなんとか存続していきたいものです。

©株式会社ライフワーク・アドバンス代表 岡田ひろみ

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