top of page
Follow Us
  • Facebook Basic Square
  • Twitter Basic Square
Archive

「結婚しろ」発言がセクハラと認識されただけでも進歩


「大意はない」では済まされない 東京都議会の本会議で、みんなの党の塩村文夏(あやか)都議に対し、複数の男性都議が「早く結婚しろ」「産めないのか」などのセクハラともとれる野次を浴びせた問題で、複数の海外メディアが「女性差別的な発言」として批判的に報じています。また野次の撤回と謝罪を求める多数のインターネットの電子署名が集まっているそうです。

「結婚しろ」発言が何故セクハラなのかを理解しているか? 私もこれまでに何度も何度も、会社の人やビジネススクールの同級生その他大勢の男性から「結婚しろ」とか「いい男いないの?」「結婚はどうするの?」と言われて来ました。今、思い起こすと日本人ばかりで(誰にどう言われたがしっかり覚えています、女は怖いですよ~~)、外国人男性から言われたことはありません(私は外資系勤務だったので、職場には外人がたくさんいましたが)。「私たちの世代は苦労したから、今の若い人はセクハラだと抗議できるだけでいいわねぇ~~」などと先輩風を吹かせるつもりは毛頭ありませんが、そうした発言がセクハラと認識され、私を含め一般の女性が抗議することさえ憚られている現実を鑑みると、ある程度の進歩といえるでしょう。 一方で、野次を飛ばした(おそらく)自民党の都議会議員は、大きく取沙汰されたことで「しまった」とは思っているでしょうが、心の底では「何がそんなに悪いんだ、そんなの世間一般では普通の会話じゃないか」と思っているのではないでしょうか。あくまで私の想像ですが、男女平等(ちょっと古い響きですねぇ)に関する一般の日本人男性の意識はまだまだかなり低いので、都議会といえどもその程度ではないかと・・・。逆に、都議会だから問題が表面化しましたが、この手のセクハラ発言は氷山の一角に過ぎません。 世の中の風潮で口では「能力に男女差はない」とか、「これからは女性の活躍を期待している」などと言っていても、「未婚女性はお嫁の貰い手がない可哀想な女」という潜在意識を持っている男性は少なくありません。だから少子化対策や育児支援に関して女性議員が発言している際に「お前も結婚してみろ」と思わず本音が出てしまったのではないでしょうか。 自民党は発言者の特定を拒否していますし、そんな何が悪いかさえ認識できないだろう輩(たぶん)が名乗り出て謝罪するとも期待できませんが、ある意味、発言者たちの意識の低さが露呈し、それに対する抗議の声が上がっただけでも多少の進歩だと私は思います。遅々たる歩みではありますが、こうした問題提起の積み重ねにより、日本人男性に因習的な意識の改革を迫るしかないのです。 「男の子が欲しかった」って、男の方が価値が高いの? ある3人のお子さんをお持ちの日本人男性が子供の話をしている時、「うちは娘が二人で息子が一人ですが、男の子が二人欲しかったんです」とおっしゃったので、私は思わず「そういうことを言うもんじゃありません」とたしなめてしまいました。まだお若く、海外在住経験もある、いわゆるエリート男性ですし、3人のお子さんたちを皆さん平等に可愛いいのでしょうが、そうした何気ない「本音」に違和感を覚えないこと自体がそもそもおかしいのです。お父様が「男の子が二人欲しかった」と言うのを聞いて、お譲さん(たいていの場合は次女)が傷つくことが分からないのでしょうか? インドや中国などでは、家を継ぐのが男性なので男性優位の価値観が根強く、胎児が女の子だと知ると中絶してしまうことが多いそうです。その結果、人口の男女バランスが崩れ、お嫁さんの来ない男性が増えすぎてしまったことが性犯罪が絶えない理由の一つかもしれません。そして、いびつな男女比率が経済発展を妨げる要因にもなっているのではないでしょうか。 更なる経済発展に女性の戦力化は不可欠 先述の若いお父様の「男の子が二人欲しかった」という発言も大意はないのでしょうが、お嬢さん以外の女性が聞いても、「男の子の方が大事」、あるいは「男の方が価値が高いと思っているんだ」と受け止められ、不快感を招きます。いつの時代も男性だけが社会で重要な役割を果たしていたわけではなく、男女それぞれに役割がありました。インフラが脆弱で電化製品も乏しく、家事や育児が大仕事だった時代は専業主婦の役割も大きかったでしょうが、経済の成熟に伴い、その役割分担の境界が薄れてきています。 また社会の発展に必要とされる能力も多様性が増しています。多様なニーズと変化の激しい社会に対応するために女性の戦力化は不可欠です。働き手に求められる能力は単なる労働力としてではなく多岐にわたるので、これまで主に男性が担ってきた経済活動に女性がどんどん参入することで、あらゆる面で社会全体の更なる活性化につながるでしょう。意識の低い人たちの何気ない発言で女性のモチベーションを下げるのは大きな社会的損失ともなります。 ドメドメ日本人おじさんたち(あえて差別的表現を使わせて頂きます、すみません)の意識改革は一朝一夕にはできませんが、単に権利を主張したり、現状に文句を言うだけではなく、きちんと声を上げて問題を指摘し(但し、泣き落としやお色気は女性全体への評価を下げるので禁止)、女性が主体的に活躍できる社会形成を目指しましょう。 ©(株)ライフワーク・アドバンス代表 岡田ひろみ


bottom of page