結婚と就活の共通点を考え、面接に臨むべし
長期的なコミットメントを前提としているとはいえ、誰に強制されるでもなく、永久に拘束される必要がないのは、結婚と雇用契約の共通点ではないでしょうか。お互いにいいと思って契約しても、実際にやってみたら予想と違っていたり、許せない部分が出て来るのは当然でしょう。どこまで我慢できるかはケースバイケースですが、嫌々ながら関係を続けるより、さっさと見切りをつけて次に進んだ方がお互いのため、というのも共通しているでしょう。
お見合いで元カレ・元カノの話をするべからず
クビになった会社や短期間しか在籍しなかった会社について、面接で辞めた理由を尋ねられたら詳しく話をする必要はない、と私は思います。これはまさに、「お見合いの席で元カレ・元カノと別れた理由を話さない」のと同じです。いい歳をした大人でそれなりに社会経験があり、転職市場にエントリーしているのですから、間違ってブラック企業に入ってしまったり、人間関係が原因で会社を辞めざるを得ないことがあるのは、ある程度理解されています。 どんなに正当(不当?)な理由があるにせよ、一度は信じてコミットメント契約を交わし、それが期待と違って解消するに至ったことに変わりはないのです。とかくお若い方や真面目な方は正直に詳しく経緯を説明することで誠意を見せようとしますが、これから長期的なコミットメントをしようとしている相手に全て知らせる必要があるでしょうか?事細かに話したところで相手が自分と同じ見解を持ってくれるとは限らないのです。 会社でもお見合い相手でも彼氏・彼女候補でも、最も重視しているのはこれからの関係とそれによるお互いの発展なのですから、過去の関係解消の理由を面接やお見合い、あるいは初デートで細大もらさず報告する義務はないのです。もっともらしい、前向きで短い回答を用意しておき、さらっと流しましょう。
元カレ・元カノの悪口を言うべからず
よくいるんですよねぇ、「奥さんと上手く行ってないんだ」とこぼす男性・・・。私の知ったことじゃないのに、何でそんなことを私に言うでしょうか、ねぇ・・・。自分が好きで結婚した相手の悪口を言う男(女)は、推して知るべしです。そして誰もその相手と結婚しろと強制したわけではないし離婚するのも自由なのですから、仮に相手が浮気したとかアルコール依存症とかDVとか、とんでもない舅・姑・小姑がいたなど拠所ない事情があったとしても、赤の他人に言ったところで同情が得られるとは限りません。 まして、そんな裏事情や愚痴を聞かされるのもうんざりです。たとえ相手にどんな落ち度があったとしても、選んだのは自分なのですから、悪口は禁物です。これは過去の勤務先についても言えることで、一度は勤務してメシの種を支給してくれた会社についてネガティブな情報を与えるのは、百害あって一利なし、と心得ましょう。面接で誘導尋問されてもポロっと本音を言わないよう、ぐっとこらた方が得策でしょう(ここだけの話、採用する気もないのに、業界情報を聞き出すことが目的で面接している場合もあるので・・・)。
他人が欲しがっているから自分も欲しくなる
他人が欲しがっている物だから自分も欲しくなる、という経験がおありの方は多いでしょう。どーってことない女子(男子)を誰かが「いいね」と言うのを聞いて、なんとなく興味が湧いて来たり、一緒になって追っかけてみたり・・・。ジョブ・マーケットでも同じ現象が起こります。転職の際、在籍しながら転職活動をした方が無職の人より次が決まりやすいのもそのためです。また他社の内定を取っている方が採用する側の安心感につながるようです(浅はかに思えますが、所詮、人間の決めることなので・・・)。 私が昔、転職活動をしていた時、同時に2社から内定が出ました。どちらも同業種で、待遇面でも同程度で迷ってしまい、両社にその旨をお伝えして返事を待って頂きました。すると一方が「サインオン・ボーナスを100万円出す」と言って来ました。正直者の私(?)がもう一方の会社にそれを知らせたら、そちらは「うちはギャランティ・ボーナスを100万円出す」と言って下さいました。気弱で奥ゆかしい(?)私はすぐさま1社に決めてしまいましたが、ダダをゴネたらもっと吊り上ったかもしれません・・・。これはオークションと同じ原理です。 恋愛でも面接でも、他人が欲しがっている物の方が、誰も欲しがらない物より良く見えるので、「この人は他社からも嘱望されている」と思わせるのも有効ではないでしょうか。熱意を伝えるのは大切ですが、「どうしても御社に入りたいんです」とか、「御社しかありません」と追いかけ過ぎるとドン引きされる可能性もあるかも・・・。これは、「御社が第1志望です」と答えるべきなのと矛盾しません。もし候補者全員が「御社が第1志望です」と答えたとしたら、他社から興味を持たれている候補者の方が良く見えるかもしれないのです。 たとえ無職の状態で面接に臨んだとしても、「他社からも興味を持たれている」ことをほのめかすのも手かもしれません。下手な嘘はすぐバレますが、実際、求職中はいろんな会社を受け、複数の会社に興味を持ってもらうのは重要です。もしそれで「じゃあ、そちらにどうぞ」と言われたら、その会社は候補者にそれほど強い採用意欲がないのですから、縁がなかったと考えましょう。競争相手がいた方が燃え上がるし、「是非こちらに」と望まれてこそハッピーになれるのは恋愛も就職も同じです。
嫌ならさっさと別れるべし
上手く行っていない配偶者や交際相手でも、文句たらたらの会社でも、選んだのは自分です。また自分が嫌だと思っていると、それが態度に表れて伝染します。他に選択肢がなければ文句を言わず堪えるしかありませんが、お互いに嫌な思いをして不満を抱え、我慢して関係を続ける必要があるのでしょうか?何のメリットがあってそれにしがみつくのでしょうか・・・? よく「金があれば別れる」という既婚者がいらっしゃいますが、経済的に依存して結婚にしがみつくのは、相手もお気の毒です。離婚は子供等を巻き込むし情も絡むので難しい面もあるでしょうが、会社は嫌々働く社員を雇用する義理も人情もないし、代替はきくのだから、不満分子社員が退職に追い込まれるのは当然の成り行きでしょう。 一方で、仕事は在籍しながらどんどん別の会社の面接を受けていいのだし(細心の注意を要しますが)、頑張ればスキルを磨いて収入を上げることも可能です。だから自分の能力を存分に発揮したいなら、会社にしがみつかなくてもいいように常に転職を意識すべきです。 転職や離婚が必ずしもいい結果につながるとは限らないのと同様、我慢と忍耐で嫌々関係を続けることがやがて報われるとも限りません。でも、文句を言いながら嫌々続けるより、さっさと見切りをつけて次に進んだ方がお互いのためではないでしょうか。いい仕事をするのは自分のためで、会社のためではないのですから、続けるか別れるか、どちらを選ぶにせよ、その先に何を期待するか、今後どうしたいかは自分次第だし、決めたら行動を起こして前進すべきです。 尚、上記はあくまで私の個人的な見解に基づいたアドバイスなので参考にして頂ければ光栄ですが、成果を保障するものではなく、結果に関してはいかなる責任も負いかねます。リスクをよくよく吟味した上、ご自身の判断により自己責任で実行するようお願い致します。 ©(株)ライフワーク・アドバンス代表 岡田ひろみ
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