不正は終身雇用維持のために
天下り社員の給料は高価格で顧客に転嫁
三菱自動車の不正が発覚し、日産が救済するという展開になりました。三菱自動車の幹部には三菱重工からの天下り社員が多いそうですから、その高齢高給社員の雇用を守るためには、不正を働いてでも会社の業績を良く見せる必要があったのでしょう。東芝と同じですねぇ・・・。
そもそも会社が永遠の成長し続けるわけでもないのに、新卒一括採用で就職した会社にずっといて、年功序列で給料が決まるなんていうのが時代遅れでナンセンスなんですが、分かっていても死守したいのがサラリーマン社会なんでしょうか、ねぇ・・・
新規参入の独立系や外資は低価格で高サービス
とこで私は最近、既存の業者企業のリプレイス(入れ替え)案件で二件のプレゼンテーションに立ち会いました。仮にそれぞれをA、B案件としましょう。
A案件は、既存の大手日系企業の契約見直しで、その会社と他の日系大手、それに複数の外資系企業とがプレゼンしました。既存の大手日系企業のプレゼンは、かなりお粗末でした。価格とサービスの質が他の企業からの提案に比べ、お話にならないほど高価格で目新しサービスもありませんでした。
他の外資系企業はそれぞれに独自のサービスで強味を強調し、価格も既存の大手よりずっとリーゾナブルでした。私は決断を下す立場ではなかったのですが、結局、外資系の中の1社が日系大手のリプレイスとして採用されました。
B案件は、最終プレゼンで既存の日系大手と独立系の一騎打ちとなりました。他の大手企業にも打診したのですが、他の日系大手の複数の会社はどれも、採算が取れないと前段階で辞退していました。大手はどこも、高齢社員の給料が嵩み、低価格を実現できないのでしょう。
B案件もやはり、新規参入の独立系が既存大手よりずっと低価格で新サービスを提案したので、大手企業を契約更新をやめ、独立系を新規採用することになりました。
大手だから安心・安全・高サービスは幻想
東芝、三菱自動車と同様、大手企業だから安心・安全・高サービスなんていうのは幻想です。三井もマンションの基礎工事データを偽造してたではありませんか。もはや誰もが知っている名前の大きな企業だからと言って、特に何が優れているわけでも、高品質で信頼できるとは限りません。
独立系や外資系などの、既存の顧客基盤がない業者さんたちは、新しいサービスを生み出し、大手より低価格で入り込もうと必死です。A、B案件の両方とも、オールマイティで万能のサービスではなく、独自の知見で得意分野を作り参入している、と実感しました。
大手企業に就職し、本体でそれなりの役職から退いた後はグループ会社の名誉職というキャリアは、今の若い世代に望むべくもありません。それでもその幻想から未だに目覚めていない若い人が多いのは残念なことです・・・。
勿論、大手が全てダメで、新規参入が全ていいとは限りません。また、高価格でも他にはない、付加価値あるサービスであれば採用することもあるでしょう。
ただ、対価を払ってサービスを受ける側としても、自分が報酬を得て働く側としても、大手だからとむやみに信頼するのではなく、視野を広げ、あらゆる選択肢を吟味するのは重要ではないでしょうか。
©(株)ライフワーク・アドバンス代表 岡田ひろみ
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