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政府主導のシャープ救済は時代錯誤


安部首相は海外からの投資誘致を掲げておきながら、外資の買収提案を拒否

シャープ救済を日本政府が主導について、ウォールストリート・ジャーナル紙は、「日本株式会社の外資による買収拒否だ」とする記事を掲載しています。

Japan Inc.’s Message to Foreign Buyers: Hands Off

http://www.wsj.com/articles/japan-inc-s-message-to-foreign-firms-keep-out-1453441206

Foxconn wants to buy struggling Sharp for its electronic products but the Japanese government wants to keep Sharp in domestic hands.

Photo: Associated Press

By ATSUKO FUKASE, TAKASHI MOCHIZUKI and ERIC PFANNER

Updated Jan. 23, 2016 7:26 a.m. ET

そもそも海外に流出して困るほど優れた技術力があるなら、これほどの危機に瀕することはないでしょう・・・。技術はあるが過剰投資が響き・・・なんて言い訳しているくらいなら、潰れてしかるべき経営体質なのですから、本来は国が銀行や官民ファンドを説得して救済する必要などないのです。

まして時代はオープンソース化が進展しています。金融とテクノロジーの融合「フィンテック」も、あらゆるテクノロジーがオープンソースだからこそ実現する革新です。海外の金融テクノロジーを使ったサービスは、かなりの部分がオープン化され、自由にカスタマイズできるようになっています。オープンソースで英知を集結できるからこそ、新しいサービスが発展しているのです。

更に、現時点でシャープの技術がどんなに優れていたとしても、それが未来永劫使われ続け、利益を生み続けるわけありません。陳腐化する前に代替技術が生み出され、何の価値もなくなる可能性もあるのです。それを何千億もの税金を使って国が救済するなんて、時代錯誤もいいところです。

経営再建中でも新卒採用?

こんな状態にも関わらず、シャープのホームページには、新卒採用の募集が出ています。2015年度は計308人の新卒採用実績があり、2016年度は165人の採用を計画しているそうです。

http://www.sharp.co.jp/corporate/news/150605-a.html

資金繰りが苦しく、この春を越せるかどうかさえ危ぶまれ、希望退職者だけではリストラが間に合わないというのに、例年どおり新卒を採用する必要があるのでしょうか?、「いつもやっているから止められない」とか「他社に後れを取る」なんて言っている場合でしょうか。

一寸先が危ぶまれる会社に就職したいと思う学生がどれほどのものかと推して知るべしで、日本長期信用銀行や山一証券のように、内定切りに合う学生が出たとしても、それは学生の自己責任ですが、ねぇ・・・。

日本の技術に特殊な優位性があるという自信過剰や、国が救済すれば立ち直れるという幻想を捨て、グローバル化、オープンソース化時代の現状を認識する必要があるのではないでしょうか。

©(株)ライフワーク・アドバンス代表 岡田ひろみ

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