• Hiromi Okada

日本で女性活躍が遅れている根本的な理由


女性の管理職比率が先進国でも著しく低いなど、日本で女性の活躍が遅れている根本的な理由が日本人男性の意識にあることを、私の経験から申し上げます。

女のくせに、勉強できるのは許せない

小学5年生の時、私は近所の学習塾に通っていました。ある日、塾が終わって帰途につこうと自転車カゴにカバンを入れたら、塾の他の男子生徒が私のカバンを持ち去り、自転車で走り出しました。勉強道具の入ったカバンを取り返すべく、私はその子を自転車で追いかけました。しばらく走ると、その子は急に止まり、自転車を降りて私の前に立ちふさがりました。 気がつくと、塾で同じクラスにいた、他の男子4、5人も私を取り囲んでいました。私は「カバンを返して」と言うと、男子たちは「お前、女のくせに算数できて、生意気なんだよ」とか、「お前がどんどん難しい質問するから、俺たちが質問出来なくなるんだよ」「お前、自分が勉強できるからって、威張ってる」と口ぐちに私を責め立て始めました。どうも彼らは私が塾で活発に発言するのが気に入らず、共謀したようでした。 その頃、学校の勉強は分かり切ったことばかりで座っているのがとても苦痛でしたが、塾の勉強は学校より進んでいました。塾の教師は東大や教育大など、片田舎ではエリートの学生アルバイトで、私がいろいろ質問すると喜んで答えてくれ、次々に新しいことを教えてくれました。だから開成中学の入試問題を解いては「算数だけなら今でも受かるなぁ」なんて思ったりしていました。(今にして思えばやっぱり生意気でしたねぇ・・・すみません)。それが近隣の他の小学校から来ている男子生徒たちの顰蹙を買ったのでした。 押し問答の挙句、その日はカバンを返してもらい私は無事、家に帰りました。午後8時過ぎで既に外は暗く、人気の少ない住宅街に男子数人が女子一人を囲んで「勉強が出来るから生意気だ」と責め立てるなんて、今だったら大問題になりますねぇ・・・。私は何とも腑に落ちませんでしたが、大して気にも留めず、その後も変わらず塾に通いました。

女性(特に高学歴)に対する敵意 大学を出た後に3年間働き、MBA留学した時、ビジネススクールの日本人同級生に「岡田さん、こんなところ来ちゃったら、結婚できないよ。どうするの?」と言われました。今だったらセクハラ発言ですし、言った本人は忘れているでしょうが、私は誰にどんな状況で言われたのかをはっきり覚えています(それも一人や二人ではありません)。 男女雇用機会均等法施行後とはいえ、大学卒でも女性が会社で「女の子」として扱われるのが普通の時代でしたから、見かけ倒しとはいえ、MITでMBAを取って日本で働くようになってから、留学前とは周囲の扱いががらっと変わり、別世界に来たかのようでした。年長の日本人男性に「女の子」扱いされなくなったのは大きなメリットだと感じましたが、あからさまに敵意や僻みをむき出しにされることもしばしばありました。 証券会社にアナリストとして勤務していた時、企業の決算発表会に出席し、それについて朝会で報告した時のことです。朝会が終わって席に戻ると、同じ会社の株式セールスから電話がかかって来ました。「あんた、朝会で自分の意見言うの止めてよ。あんたの意見なんて、聞きたくないんだよ。MBAで勉強したからってわかるほど、この世界甘くないんだよ。」とのことでした。 私は頭から噴き出す湯気を抑えられず、外人のチームヘッドに報告し、ミーティングを召集するなどすったもんだしましたよ・・・!!!日本の証券会社からバブル相場で外資証券に転職したドメドメの日本株営業マンは、女性アナリストが意見を言うなんて、到底許せないことだったのでしょう。

モノ言う女は潰される

それから何年も経って、私の大学の同級生がある大手企業で「初の女性本部長」に就任したことを新聞記事で知りました。同じ大学とはいえ彼女が私よりずっと優秀であることは間違いないのですが、彼女の人柄を思い出し、「彼女だから日本人のおじさんたちに潰されなかったんだなぁ」と気づき、妙に納得しました。 彼女も私や他の女性たちと同様に、会社で敵意をむき出しにされたり、理不尽な扱いを受けなかったはずはありません。でも、おしとやかで謙虚な彼女は、私のようにいちいち髪の毛を逆立てて反論したりせず、「賢く大人の対応」をして来たのでしょう。その大企業はCSRの観点から、ある意味プロパガンダで積極的に女性活用を打ち出していたのですが、それでも「モノ言う女は許せない」日本人男性が多い中、「彼女なら」と選ばれるのは相当のことです。 女性が企業で上に行くには、優秀で仕事が出来るだけではなく、あからさまに向けられた敵意を上手くやり過ごし、耐える能力も必要なのです。私と違って彼女は、「能があるから爪を隠していた」のでしょう・・・。

原因の認識は改善の第一歩

賢い読者の方々にはご理解頂いていると存じますが、私はこれまで受けた理不尽な扱いに文句を言っているのではありません。自分の経験から、女性が勉強が出来たり、有能であることを快しとしない男性が日本社会に多く存在することをお知らせしたいのです。モノ言う女が嫌われることは経験上、良くわかっていますが、原因を特定しなければ問題は解決に向かいません。 私のカバンを取り上げた男の子たちも、今や企業で経営層にいるかもしれません。彼らが特別な環境で育ち特に偏っていたのではなく、多くの日本人男性に「女のくせに」という意識があることを知って頂きたいのです(最近では表だって口にすることが憚られる風潮が出て鳴りを潜めていますが、絶滅寸前とはいえ息絶えていないでしょう・・・)。 日本企業で女性管理職の比率がとても低く、子育てインフラがお粗末なのは、「女のくせに」という潜在意識がある男性が中心になって社会システムを作って来たことが主な原因です。そして女性が働くことを前提にしなかった社会で、女性たちが自分の能力を伸ばし、活躍する機会を逸しているのです。 現政権は女性活用を政策課題に掲げていますが、「3年育休」などの愚策は状況を改善するどころか、企業に雇用費用の負担を強いるので、女性の就労機会の妨げになります。また「育児休暇を有給」にしたら、女性だけでなく男性もやる気を無くす上、気真面目な社員ほど育休を取らなくなります。 根本的な原因を認識しない限り、改善にはつながらないのではないでしょうか。 ©株式会社ライフワーク・アドバンス・代表 岡田ひろみ


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