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優秀な学生はお金の心配無用ー Need-blind admission


「出来のいい子ほどお金がかからない」・・・のは、今は昔の話となりつつあります。「学歴もお金で買える」のは洋の東西に関わらず今に始まったことではありませんが、親(家庭)の経済力が子供の学力格差につながるとすれば、これは深刻、かつゆゆしき社会問題です。

アメリカの大学は授業料が高額なので、全額を負担できる家庭は限られ、大半の学生が何らかの学資ローンや奨学金などを利用しています。ですから昨今の世界的な経済低迷で、大学を卒業しても期待どおりの仕事に就けず、学資ローンの返済滞納も増えているそうです。親も本人も、学資ローンの提供者も、「投資を回収するのが難しい」状況なのです。

一昔前は大学も経営面の配慮から授業料(および寄付金)をしっかり払ってくれる学生を優先的に入学させる傾向がありましたが、学生の経済状況に関係なく優秀な学生を受け入れるニード・ブラインド・アドミッション(Need-blind admission) が法律で義務付けられました(2015年9月30日まで施行)。

これにより合格した学生は全員、奨学金や返済義務の生じるローンも含め、授業料と在学中の生活費の心配がなくなるので、入学出願者数が増えているそうです。倍率が上がり、競争が激しくなると同時に、学生の質も上がると言えるでしょう。

MITのundergraduate (学部)入学志願者向けのHPには、「MITの合格者は、MITに来るための学費を払えるよう我々がしっかりやります」と明記されています。

これは、MITが全額払ってくれる、のではなく、様々な形態のFinancial Aid(学費援助)で必要な学費と生活費を学生自身が払えるよう、MITが面倒見てくれる、という意味です。

Financial Aid各種の主な原資は卒業生や在学生の保護者からの寄付金等なので、名門大学ほど潤沢な財源があります。バーバード、MIT、ダートマス、アマースト、プリンストン、イェールは海外からの留学生にもこのシステムを適用しています。

またアメリカの市民権を持つ人に限って適用している大学も多数あります。そしてこのシステムはアメリカ以外の教育機関にも広がっています。

優秀な学生は学費を免除するmerit-based admission 方式は、無名大学が優秀な学生を集める手段としても使われます。実際、アメリカの大学は優秀な学生を入学させて学生の質を確保するため、様々な学費優遇措置を講じています。

東京大学は、留学生を受け入れやすいようにと秋入学を実施しましたが、フタを開けてみれば定員割れでした。いっそのこと、秋入学なんて姑息な手段はやめて、優秀な留学生を学費免除、あるいは生活費支援の額奨学金付きにした方がいいんじゃないでしょうか・・・なんて言うのは余計なお節介ですか、ねぇ・・・。

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